【小児睡眠コンサルタントが解説】赤ちゃんの睡眠的にNGなこと|10項目
私たち大人が良かれと思ってついしてしまいがちな、寝んね的にNGなことって実はあります。
それぞれ詳しくお話していきます。
起床時間が遅い|起床時間がバラバラ
夜中のお世話、夜泣き、寝相でゴソゴソ動く音。
「朝は少しでもゆっくり寝ていたい」と保護者は思いますよね。
私自身もそうでした。
夜泣きで悩んでいる保護者にはとても言いにくいことですが、でもめちゃくちゃ大事なのは「早起き早寝」です。
起床がずれると昼寝がずれ、昼寝がずれると就寝がずれ、就寝がずれるとまた起床がずれていく悪循環に。
その結果、体内時計自体がずれ昼夜逆転生活になってしまったり、体内時計の乱れにより睡眠問題が発生したり悪化することも。
なぜ早起きが大事なのか?
それは、ヒトは朝陽を目に入れることによって、体内時計をリセットしているから。
夜泣きや夜間のお世話でどうしても起きることが辛いときは、カーテンを開けて朝陽を浴びながら寝床でゴロゴロでもOK。(寝室の電気をつけるだけでもOK)
少しずつ親子で早起きの習慣を。
夜寝て欲しいからと昼寝を少なくしてしまう
「お昼寝を減らせば、夜しっかり寝てくれるはず」
「日中疲れさせれば、夜しっかり寝てくれるはず」
うちの子が赤ちゃんのとき、私もそう思っていました。
でも、実は赤ちゃんて疲れ過ぎると興奮状態になり寝にくい傾向があります。
私たち大人も興奮していると寝にくいですよね。
寝るためにはまず興奮を抑えることが必要になってきますが、赤ちゃんが感情をコントロールするのはまだまだ難しい。
そのため、赤ちゃんが疲れ過ぎる前にお昼寝の準備をして、眠くなる頃には寝床に入ってるのが理想的です。
覚醒時間の目安
月齢 | 覚醒時間 |
新生児〜生後3ヶ月 | 1.5時間 |
生後3〜6ヶ月 | 2〜3時間 |
生後6〜9ヶ月 | 3〜4時間 |
生後9ヶ月〜1歳3ヶ月 | 最大4〜5時間 |
出典:CISA
・赤ちゃんが機嫌よく起きていられる覚醒時間について詳しくはこちら
ネントレ本の通りに昼寝をさせようとし過ぎてしまう
ネントレ本やネットなどには、赤ちゃんのお昼寝のスケジュールが記載されてあるものがあります。
午睡は生活のリズムを構成する重要な要素であり、安心して眠る
ことのできる安全な睡眠環境を確保するとともに、在園時間が異な
ることや、睡眠時間は子どもの発達の状況や個人によって差がある
ことから、一律とならないよう配慮すること。
厚生労働省 保育所保育指針
数字が書いてあるとついその通りにしようとしてしまいがちですが、保育所保育指針にも記載されているようにお昼寝はとても個人差があるため、あくまで目安として捉えることをおすすめします。
朝寝 | 昼寝 | 夕寝 | |
生後2〜4ヶ月 | 1時間 | 2時間30分 | 30〜1時間 |
生後5〜6ヶ月 | 1時間 | 2時間30分 | 徐々になくす |
出典:医者が教える 赤ちゃん快眠メソッド
朝寝 | 昼寝 | 夕寝 | |
生後3〜5ヶ月 | 1時間 | 2時間 | 30分〜1時間 |
生後6〜8ヶ月 | 1時間 | 2時間 | 0〜30分 |
出典:赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド
上記表のように、本によってお昼寝時間の記載は異なります。
お子さんの月齢やタイプによっては、表の時間より寝る子もいれば寝なくても平気な子もいます。
体力、運動発達、元々のタイプ、夜間の睡眠状況、その日の過ごし方によっても昼寝時間は変化します。
お昼寝をしっかりさせようと頑張り過ぎると保護者も疲れてしまいますので、大事なポイントは「赤ちゃんが疲れ過ぎない程度に休ませてあげること」です。
就寝前まで明るい部屋で過ごす
子供は大人と比べて光の影響を約2倍受けるとされています。(赤ちゃんはまぶたの皮膚も薄く、水晶体も濁ってないため)
強い光はメラトニン(眠りを促す睡眠ホルモン)の分泌を抑制させてしまことがわかっています。
https://www.science.org/doi/abs/10.1126/science.7434030
赤ちゃんだけに合わせた生活は難しい面もあるかと思いますが、できる範囲で明かりの工夫を。
起きないように部屋を静かにし過ぎてしまう
赤ちゃんが寝ている間、
・急なピンポン
・保護者の生活音
・兄弟姉妹の遊ぶ音
・外からの騒音
全く音がない状態は難しいですよね。
生活音(ドアの開閉、家事の音)など、音は静かな環境では気づきやすいですが、ある程度の音が流れている環境では逆に気づきにくいもの。
赤ちゃんが些細な音で起きてしまわないように、ホワイトノイズなどで生活音を掻き消す工夫を。
ホワイトノイズと睡眠導入:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2405784
就寝中|夜間のお世話のときに明るい電気をつけている
「④就寝前まで明るい部屋で過ごす」の項目でお話したように、赤ちゃんは大人よりも約2倍光の影響を受けやすいとされています。
そのため、豆電球の明かりも眩しく感じ、小さな月齢の頃は強制注視と言って気になる光を見続けてしまうことも。(赤ちゃんは基本仰向け状態のため、天井にある光は目に入りやすい)
就寝〜起床までは基本真っ暗が理想的。
夜間のお世話のときなどはナイトライト利用し、赤ちゃんの目に直接明かりが入らないように足元から明かりを。
https://physoc.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.14814/phy2.13617(就学前児童における夕方の明るい光に対するサーカディアンシステムの感受性)
日中と同じテンションであやしてしている
赤ちゃんには「何時だから寝よう」「何時だから起きよう」「他の家族が寝てるから静かにしよう」という考えはありません。
そのため、日中と同じテンションで夜間起きたときもあやしてしまうと、「夜起きるとママやパパが遊んでくれる」「夜起きると嬉しいことがある」という認識をしてしまう可能性も。
楽しくコミュケーションを取るのは日中、夜は寝る時間だと赤ちゃんに分かりやすく伝えてあげましょう。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1053810016302501(ウォッチングアイズの効果)
寝相で寝床からはみ出るたびに抱き上げて戻す
周囲が囲われていない敷布団の場合、寝相や寝返りなどで赤ちゃんが寝床からはみ出してしまうことが多々あります。
寝床からはみ出てる赤ちゃんを抱き上げて寝床に戻し、運よくそのまま寝続けてくれたらいいのですが、私たち大人も抱きかかえられたら目が覚めちゃいますよね。
寝床からはみ出るたびに抱き抱えて寝床に戻すことによって、夜間起きるのが癖になってしまう子も。
はみ出しても大丈夫な寝室環境、可能であればベビーベッド、もしくはベビーサークルなどで、赤ちゃんの寝床は囲ったほうが睡眠の質の向上に繋がるかと思います。
(落下防止柵などは、マットレスと柵の間に赤ちゃんが挟まってしまった事例があるため、1歳半より前の使用は推奨されていません)
夜間の泣き(寝言泣き)にすぐ対応している
赤ちゃんに泣かれると、理由があって起きて泣いていると通常思いますが、実は赤ちゃんは寝ながらでも泣きます。
それが寝言泣きと呼ばれるもので、赤ちゃんは寝言も泣き声です。
私たち大人が寝言のたびに「大丈夫?」「どうしたの?」と家族に声をかけられたり、電気を点けて部屋を明るくされたり、抱き上げられたりしたら?
ウトウトから本格的に起きてしまいますよね。
・赤ちゃんの寝言泣きの対処法はこちら
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20223706/(乳幼児における親の行動と睡眠の成果:異文化間の比較)
起床時間より早く起きたらすぐ構っている
赤ちゃんは「何時に起きよう」「まだ5時だから二度寝しよう」「他の家族がまだ寝ているから静かにしていよう」とは思えません。
赤ちゃんが起きたからといってすぐ介入したり、明るいリビングに移動してしまっては、その時間が起床時間としてだんだん習慣に。
赤ちゃんの早過ぎる早起きの原因と対処法はこちら
●赤ちゃんの睡眠について講習会も行っております
●お気軽にご相談ください
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