【小児睡眠コンサルタントが解説】夜泣きとは|夜泣きの原因と対処法
「夜泣きっていつからどんなふうに起こるんだろう」
「うちの子、最近夜泣いて起きるけどこれって夜泣き?」
「新生児が夜泣いて起きるのは夜泣き?」
「夜泣きって予防できるの?」
夜泣きという言葉は知っていても、夜泣きをしっかり理解して説明できる人はそう多くはないかと思います。
今回は夜泣きについてお話を。
夜泣きとは|夜泣きの原因
乳幼児の睡眠問題|考えられる原因
乳幼児の睡眠問題(寝ぐずり・頻回起床・夜間の長時間な覚醒など)の主な原因は、生活リズム(生理学的要因)と寝かしつけ(心理学的要因)であると考えられています。
夜泣きは一般的に(空腹・オムツの不快感・暑い寒い・明るいうるさくて寝れないなど)はっきりした原因がないのに、夜中に起きて泣くこととされています。
生後6ヶ月以上〜4歳未満が対象で、夜間に泣き出し眠らないでぐずり続ける状態を夜泣きと捉える
睡眠・発達医療センター夜泣き外来 菊池清医師
生後6ヶ月未満の赤ちゃんは体の仕組みとして、
●眠り続ける力が未熟
●赤ちゃんの胃はとても小さく、日中だけでは必要な栄養が摂れないため夜間の授乳ミルクが必要
などの理由から、新生児〜生後6ヶ月ごろまでは夜間起きて泣く、夜間起きて授乳ミルクを欲するのは自然なこだと考えられています。
赤ちゃんは生後3〜4ヶ月ごろには昼夜の区別がつき、日中よりも夜にある程度まとまって寝るようになる子が増えてきます。
そのため、生後6ヶ月ごろを過ぎても低月齢のような睡眠状態で、
などの場合、夜泣きに該当すると考えられています。
ただ個人的には、夜泣きかどうかよりも、今現在親子が睡眠について悩んでいるかどうかが大事だと考えます。
夜泣きの対処法
①寝室環境を整える
「明るくて眩しい」「過度にうるさい」「寝室が暑過ぎる・寒過ぎる」「湿気でジメジメしてる」なんて場所では寝にくいですよね。
それは赤ちゃんも同じです。
安全で寝やすい寝室環境を整えましょう。
睡眠の土台について詳しくはこちら
②月齢に応じた昼寝&生活
赤ちゃんは大人のような体力はないため、日中ずっと起きていられません。
ネントレ本通りにお昼寝をさせる必要はありませんが、「疲れ過ぎ」「眠気による不機嫌」を予防する範囲で、お子さんに合ったお昼寝時間や回数を。
赤ちゃんのお昼寝のタイミングについてはこちら
③体内時計を整える
乳幼児の睡眠問題を抱える保護者に、絶対にご提案することは「早寝早起き」です。
エビデンスではなく経験則ですが、「早起き早寝」「規則正しい生活」これらスケジュールを整えることによって、睡眠問題が改善傾向に向かうお子さんは多いです。
夜泣きやお世話で保護者は辛い状況かと思いますが、睡眠改善の第1歩は「朝起きて光を目に入れること」です。
どうしても辛い朝は、カーテンだけ開けて陽の光を入れるか、寝室の電気を点けてお子さんだけでも目に光を入れてもらいつつ寝室でゴロゴロでもOKです。
体内時計について詳しくはこちら
④日中に適度な遊び
しっかり寝るためには、体と脳に適度な疲れが大事です。
月齢に応じて日中活動的な遊びを。
⑤就寝1時間前から強い光は避ける
眠気を促すメラトニンは、強い光で抑制されてしまうことがわかっています。
そのため、就寝1時間前ぐらいから明る過ぎない部屋で過ごすことが推奨されています。
光はヒトのメラトニン分泌を抑制する:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7434030/
⑥入浴は就寝時間の1時間前が理想
人は体温が高いと寝にくく、体温が下がる過程で眠くなる仕組みになっています。
そのため、体温が上がってしまうお風呂は就寝時間直前ではなく、1時間前程度が理想的とされています。
⑦就寝前のルーティン
即効性はありませんが、寝る前のルーティンを継続して習慣化していくことで、睡眠改善が見込めることがわかっています。
毎晩の規則的な就寝習慣が幼児の睡眠の改善と関連していることを示しており、就寝習慣をより一貫して行うほど、また開始年齢が低いほど、より良いことが示唆された。
幼児の就寝前のルーティン:睡眠の成果との用量依存的な関連性:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25325483/
就寝前のルーティンについて詳しくはこちら
⑧月齢に応じた夜間授乳/ミルク
”夜泣きで困ったら夜間断乳”という情報を見かけることがありますが、夜泣き改善=夜間断乳とは限りません。
どんなに寝室やスケジュールを整えても、どんなに頑張ってネントレをしても、起きて泣く理由が「空腹」であれば、空腹を解消してあげることが改善策になります。
必要な夜間授乳を残したまま、睡眠改善をすることは可能です。
夜間授乳の間隔について詳しくはこちら
⑨寝るときや夜間覚醒時に介入し過ぎない
乳幼児の睡眠問題の原因は様々ありますが、その中の1つに入眠時関連型があります。
入眠時関連型とは
①入眠に手間がかかり、特別な条件を要求する
②寝入るための条件に大いに問題がある。あるいは過大な要求がある
③寝入るための条件がないと、入眠開始がかなり遅れる。あるいは睡眠が乱される
④夜間覚醒には、子どもが再び眠りにつくために養育者の介入が必要になる
睡眠障害国際分類 第2版 診断とコードの手引
もちろん全ての子供がそうなるわけではありませんが、お子さんによっては特定の寝かしつけや保護者の介入がないと寝つけなくなったり、夜起きるたびに特定の寝かしつけや保護者の介入がないと寝つけなかったり、二度寝するのにも時間がかかる場合があります。
寝るために特定の寝かしつけが必要で、二度寝するためにも特手の寝かしつけが必要で、且つそれらに時間がかかる場合、親子共に負担はかなりのものと考えます。
赤ちゃんが夜泣いたときの対処法はこちら
癖が要因の睡眠問題の場合はこちら
●うちの子なんで夜何回も起きるの?
●夜間の頻回起床に悩んでいる
●毎日寝かしつけに時間がかかって辛い
など、睡眠の悩みや疑問を抱えている場合は、お気軽にご相談ください
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