blog

blog

すやすや寝てる赤ちゃん

【小児睡眠コンサルタントが解説】本当に泣かせないネントレ?|PUPD

PUPDメソッドとは

泣かせないネントレ、優しいネントレ、穏やかなネントレと紹介されることが多いPUPD(略:Pick Up Put Down)メソッドですが、赤ちゃんのそばで保護者がずっと介入するため極力泣かせないネントレ方法です。

シッターであり看護師のトレイシー・ホッグ氏が著書で紹介しているメソッドで、赤ちゃんが小道具や抱っこを必要とせずに眠りにつくのを助けることを目的としています。

今回はこのPUPDメソッドについて詳しくお話します。

PUPDメソッドのやり方

PUPDのやり方は至ってシンプルです。

PUPDは(略:Pick Up Put Down)という言葉の通り、(Pick Up)抱き上げる/(Put Down)寝床におろすを、赤ちゃんが寝床で寝つくまで繰り返します。

PUPDメソッド
  1. 就寝時間(いつも眠くなる時間)に起きてる状態で寝床に置きスタート
  2. 泣いたら抱き上げる
  3. 泣き止んだら寝床に戻す
  4. 背中に手を置き、シーシーやトントンで落ち着かせる
  5. 泣き止まない場合は抱き上げる

メリットとしては、子供を極力泣かせずに寝床で寝る練習ができることですが、デメリットとしては保護者は常に抱き上げたり寝床に戻したりを繰り返すことになるので、保護者の身体的な負担がとても大きい面があります。

トレイシー・ホッグ氏自身も著書で大変だと話されています。

PUPDは魔法ではありません。けっこう大変な仕事です。両親が協力し合って交代して行うのがおすすめ

トレイシー・ホッグの赤ちゃん語がわかる子育て大全

PUPDメソッド|導入に大事なこと

PUPDメソッド導入に大事なこと
  1. あまり大きな月齢でないこと
  2. 睡眠の土台が整っていること
  3. 就寝時間がある程度定まっていること

①あまり大きな月齢でないこと

トレイシー・ホッグ氏の著書では、”1歳までの眠り方を学んでいない赤ちゃんにPUPDを使う”と記載されています。

しかし、少し大きな月齢になってくると赤ちゃんのタイプによっては、泣いて抱き上げられて落ち着いても、寝床におろされたときの不快感(なんでおろすの!?)が刺激になり、寝つくまでにかなり時間がかかる傾向があります。

あくまでも私の経験則ですが、いわゆる泣かせるネントレが推奨されていない低月齢時期に、寝床で寝る練習を優しく教えてあげる方法としての導入が望ましいと考えます。

8ヶ月から1歳の子なら、抱っこしないほうが早く落ち着けるのです。赤ちゃんがとても機嫌の悪い時以外は、抱き上げないようにします。私は10ヶ月以上の子は抱き上げないで、PDの部分のみをやります。

トレイシー・ホッグの赤ちゃん語がわかる子育て大全

お子さんがすでに生後6ヶ月以降で、抱っこからおろされることで強く泣いてしまうタイプの場合、PUPDよりもファーバー式など別のネントレの方が親子の負担がトータル的に少ないかも知れません。

②睡眠の土台が整っていること

赤ちゃんを極力泣かせないやり方とはいえPUPDもネントレなので、

●体内時計が整い昼夜の区別がついている

●安全で寝やすい寝室環境になっている

その他のネントレ同様、PUPDも上記2つをクリアできていることが大事です。

【赤ちゃんの生活リズム】体内時計についてはこちら

【小児睡眠コンサルタントが解説】睡眠の土台についてはこちら

③就寝時間がある程度定っていること

PUPDをスタートする際は、いつも寝る就寝時間もしくは少し遅めの時間にスタートするのが望ましいです。

その理由は、極力少ない時間で寝落ちしてもらうためです。

例えば、お子さんの本当に眠い時間が20:00なのに、PUPDを19:00にスタートでは、本当に眠くなる時間まで1時間あります。

そうなると、1時間頑張って起きれちゃう=PUPDの時間が長くなり、親子共に負担が大きくなる傾向があるからです。

PUPD導入前に、お子さんが「眠たくなる就寝時間」を把握しておくことが大事です。

PUPDメソッド|成功に大事なこと

PUPDメソッドの成功に大事なこと
  1. 保護者の一貫性と継続
  2. 抱き上げたまま寝かせない
  3. あやす際の注意点

①保護者の一貫性と継続

極力泣かせない穏やかなネントレと言われているPUPDですが、ファーバー式などのその他のネントレ同様、保護者の一貫性と継続が大事です。

PUPDをスタートしたら、途中で辛くなってもその時間帯は寝床で寝つかせましょう。

泣いて頑張ったら抱っこで寝かせてもらえたという学習をさせないためです。

②抱き上げたまま寝かせない

PUPDは、赤ちゃんが小道具や抱っこを必要とせずに眠りにつくのを助けることを目的とするネントレの1つです。

抱き上げたまま寝かせてしまっては、寝床で寝るコツや感覚をお子さんは学習できません。

お子さんが「どこで」「どうやって」寝ていいのかわからず混乱してしまう可能性もあるため、「ここで」「こうやって」寝るんだよとわかりやすく繰り返し教えてあげることが望ましいです。

③あやす際の注意点

あやす際の注意点
  • 子供がつまらないと感じるあやし方がベスト
  • 夜間のお世話のときは、極力目を合わせない
  • あれこれ話さず声かけは1〜2パターンで「ねんね」「ゴロン」など
  • 声かけのトーンはゆっくり低く
  • 必要最低限のあやしにとどめ、完全に落ち着く前にあやしはやめるようにする

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1053810016302501(ウォッチングアイズの効果)

寝床にいることや寝るより楽しい刺激があると、ウトウトから本格的に目が覚めてしまったり、寝つきに時間がかかってしまいます。

就寝〜起床までの間、そしてネントレ中は、つまらないママパパが理想的。(楽しいコミュニケーションは夜ではなく日中に)

●特定の寝かしつけに時間がかかり辛い

●ネントレに不安がある

●本やネットに書いてあることをしたけど上手くいかない

など、悩みや不安を抱えている場合は、お気軽にご相談ください。

記事一覧

赤ちゃんのねんね相談®️ー夜泣き相談ー

●赤ちゃんのねんね相談 代表 ●NPO法人 赤ちゃんの眠り研究所 乳幼児睡眠アドバイザー ●子供心理カウンセラー

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。