【小児睡眠コンサルタントが解説】ネントレとは|睡眠の土台を整えてネントレ成功率アップ
ネントレとは
ネントレは【ねんねトレーニング】の略で、乳幼児がスムーズに寝れるように練習することです。
今現在の寝かしつけ方法に負担がなく幸福感を親子で得られていれば問題ないのですが、
上記のような場合で且つ「毎日寝かしつけに時間がかかっている」「夜起きるたびに抱っこしないと寝ない」「抱っこで寝ても寝床におろすと起きてしまう」
このような状況が続くと、家族みんなで寝不足で辛い・・・なんてことに。
ネントレで今までの寝かしつけの癖を無くしたり、別の癖に移行(抱っこ寝からトントン寝、添い寝から別々の寝床になど)することで、赤ちゃんが今までより寝られるようにすることで、保護者の睡眠も確保され産後鬱の軽減にも繋がるとされています。
赤ちゃんに寝る練習をさせることで何か問題は無いの?と、不安になる保護者もいらっしゃるかもですが、ネントレした乳幼児への5年の追跡調査で悪影響はなしという結果が出ています。
(行動的乳幼児睡眠介入の効果と利点の5年間の追跡調査)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22966034
ネントレする前に大事なこと
ネントレをする前に大事なことは睡眠の土台を整えること。
それぞれ詳しくお話していきます。
安全な寝床
赤ちゃんの寝床でまず気をつけたいことは「窒息」です。
赤ちゃんの寝床には、顔を覆ったりしてしまうものは置かないことが推奨されています。
●1歳までは仰向け寝が推奨(厚生労働省 SIDS)
●硬く傾きのない寝具
(枕・掛け布団は非推奨/スワドルは寝返りの兆候が見えたら卒業)
●同室(過去の文献では、早くても生後6ヶ月もしくは1歳までは保護者と同室が推奨されていました)
●大人と同じ寝床で寝ない(場所問わず)
●温め過ぎない(乳幼は熱に弱い)
参考元:Sleep-Related Infant Deaths: Updated 2022 Recommendations for Reducing Infant Deaths in the Sleep Environment:https://publications.aap.org/pediatrics/article/150/1/e2022057990/188304/Sleep-Related-Infant-Deaths-Updated-2022?autologincheck=redirected
寝やすい寝室環境
意識したいポイントは「明暗」「温度・湿度」「音」の3つ
●明暗
就寝〜起床までは真っ暗な寝室(30ルクス程度)が理想的。
月齢によりますが赤ちゃんは基本仰向けで寝るので、視界に入りやすい天井の豆電球などは避け、足元を照らすナイトライトなどを夜間のお世話のときに使用を。
赤ちゃんのタイプによっては電化製品の稼働ランプが気になる子もいるので、遮光テープやガムテなどで対策。
●温度・湿度
寝室温度の目安は18〜19度(米国立睡眠財団)
湿度の目安は50〜60%とされていますが、正直日本は都道府県によって温度・湿度環境が様々なので下記を参考まで。
体温調節が未熟な赤ちゃんに着せ過ぎは要注意!!
大人が少し涼しく感じる程度の寝室環境をが理想的。
スリーパーなどを利用しつつ、エアコンの温度設定で寝やすい環境を。
体内時計を整える
大事なポイントは「起床」「明暗の工夫」「就寝」の3つ
●起床後は部屋を明るくし目に光を入れる
●メラトニンの分泌を抑制させないため、就寝1時間前ぐらいから明る過ぎない部屋で過ごす
●就寝〜起床までは真っ暗が理想的(メラトニンは強い光で抑制されることがわかっています)
Light suppresses melatonin secretion in humans:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7434030/
適切な授乳ミルク
どんなに環境を整えても、どんなに寝やすい状況を作っても、お腹が空いていては寝る寝ない以前の話になってきます。
夜泣き改善=夜間断乳ミルクとは限りません。
必要な授乳ミルクは与えた上で、無理なく睡眠改善を。
夜間授乳の間隔|夜間断乳について詳しくはこちら
ネントレの成功率をアップさせるためにも、睡眠の土台を整えておくことはめちゃくちゃ大事なポイントです。
私たち大人だって、寝にくい場所よりは寝やすい場所の方が寝つきやすいですよね。
それは赤ちゃんも同じ。
寝にくい状況ではネントレ自体のハードルが上がり、そうなると継続率が下がり、結果的に成功率も下がってしまいます。
寝やすい環境を整え、寝つきやすい状況を作り、赤ちゃんの月齢や運動発達などを考慮しつつネントレチャレンジを。
ネントレ|メソッドの種類
ネントレ(メソッド)は、生後6ヶ月以降(寝返り返り習得後)〜1歳半ごろまでが推奨とされています。(低月齢向けのものもあります)
ネントレは、メソッド、◯◯式など色々な種類や呼ばれ方がありますが、
●今の寝かしつけから別の寝かしつけに移行
●今の寝かしつけの癖を無くす(親子どちらかに負担がある場合)
やり方が違うだけで、最終的な目標はどのネントレも同じです。
下記は今までのクライアント様のネントレをサポートさせていただいた経験則を基にしたデータです。
低月齢向けのネントレ
極力泣かせない対応になるため、そのぶん保護者の負担は多く、改善速度も遅い傾向があります。
離れる”時間”をのばすネントレ
決められたルールに沿って、離れる時間を徐々にのばしていく対応。
改善速度が他のネントレと比べて速い傾向がありますが、泣き声をある程度聞き続けるため、保護者によって向き不向きがあるかもしれません。
離れる”距離”をのばすネントレ
決められたルールに沿って、離れる距離を徐々にのばしていく対応。
いくつかあるネントレの種類の中で、正直こちらのネントレは若干不人気です。
その理由としては、保護者が寝床にいる子供から見える位置に、ネントレ期間中は留まらなくてはいけないので、兄弟姉妹がいたりすると難しい面も。
完全に寝つくまで見守るネントレ
親子同室や川の字で寝ているご家庭向けのネントレで、保護者がいさえすれば寝るようになるのが改善の着地点になります。
正直こちらのネントレは、保護者や子供のタイプによって合う合わないがあります。
保護者がそばで見守りたいと考えても、保護者がそばにいると興奮するタイプの子の場合は難易度が高めになる傾向があります。
ネントレの継続率、成功率アップのためにも、ご家庭の状況・親子のタイプ・お子さんの月齢や運動発達を考慮したメソッドの選択を。
●どうやって寝る練習をしたらいいのかわからない
●自分たち親子に合ってるネントレを知りたい
●今現在の寝かしつけが辛い
など、お悩みや疑問を抱えている場合は、お気軽にご相談ください
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