【小児睡眠コンサルタントが解説】生後4〜6ヶ月ごろ|寝返りして夜起きちゃう。今まで眠れていた子が急に寝れなくなる【睡眠退行】
「寝かしつけのトントン中に寝返りして泣くので、前より寝かしつけに時間がかかる」
「夜中に寝返りして泣いて起きちゃう」
「今までセルフネンネできていたのに、寝返りをするようになってから出来なくなった」
など、生後4〜6ヶ月ごろに多いご相談です。
今回は、赤ちゃんの睡眠トラブルの1つである寝返り期の睡眠退行について。
睡眠退行とは
睡眠退行とは、一時的にねんねが下手になる時期のことです。
赤ちゃんの脳や運動発達をする過程で起こる事象と考えられています。
一過性で終わる子もいれば、しばらく続く子もいたり、大きな成長(寝返り、腰ずわり、つかまり立ち、自我の芽生えなど)のたびに睡眠退行を繰り返す子もいます。
生後4〜6ヶ月|寝返りの睡眠退行期に大事なこと
寝返りの睡眠退行期に大事なことは、日中親子に負担のない範囲でうつ伏せの練習をすることです。
SIDSの観点からも、産後間も無くからのtummy time(腹ばい運動)が推奨されています。
退院後すぐに、保護者が目を覚ましている状態で、短時間の腹ばい運動を行うようにし、段階的に増やして、7週齢までに毎日合計15から30分以上行うようにします(下記文献より抜粋)
https://publications.aap.org/pediatrics/article/150/1/e2022057990/188304/Sleep-Related-Infant-Deaths-Updated-2022?autologincheck=redirected
寝返りを覚えたばかりの赤ちゃんの場合、うつ伏せの体勢に慣れてなくて不安だったり、眠いけど好奇心や不随意により寝返りをしてしまったりします。
その結果、寝るタイミングを逃し、寝つくまでの時間が長引いてしまったり。
眠りの浅いタイミングで無意識に寝返りした刺激で、びっくりして起きてしまうその結果、頻回起床に繋がると考えます。
寝返り期の睡眠退行の解決策は?
寝返り期の睡眠退行におすすめな対処は2つ
●日中にtummy time(腹ばい運動)をする
●窒息の観点から、うつ伏せで寝続けることは避ける
それぞれ詳しくお話していきます。
日中にtummy time(腹ばい運動)をする
運動発達に伴う睡眠退行の場合の改善策は、赤ちゃん自身にその運動に慣れてもらうことが改善への近道です。
私たち大人にとっては何でもないことも、赤ちゃんからしたらびっくりしたり、不安だったりすることもあります。
日中に保護者が起きている環境でお子さんをうつ伏せにさせ、背中やおしりを撫でながらリラックスさせてあげます。
そして、赤ちゃんの顔に手を添えながら優しく床に下ろし、疲れたら頭を下げて休めることを教えてあげます。
そのときに、赤ちゃんが頭を床につけた状態で、顔を左右に自分の意思で動かせるかチェックを。(大事なポイント)
窒息の観点から、うつ伏せで寝続けることは避ける
SIDSの観点から1歳までは仰向け寝が推奨されています。
厚生労働省 乳幼児突然死症候群(SIDS):https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000181942_00003.html
そのため、赤ちゃんが夜間寝返りでうつ伏せ寝をしてしまった場合は仰向けに戻します。
その際、抱き上げたり、寝ついてすぐだと起きてしまう可能性が大。
夜間に寝返りしてうつ伏せ寝をしてしまった場合は、寝ついてから10〜15分程度経った深い眠りのタイミングで、優しく転がすように仰向け寝に戻しましょう。
赤ちゃんは好奇心の塊です。
眠くてウトウトしてても気になるものがあれば見続けてしまったり、夜間起きたときに新しくできる運動で遊んでしまうもの。
そのため、寝返りという新しい動きに赤ちゃん自身に慣れてもらうことが大事なポイントです。
私たち大人も夜間何度も寝返りしながら寝ていますが、寝返りで動いてふと夜中に目が覚めたとき、
「どうしたの?」と家族に声をかけられたら?
電気を点けて部屋を明るくされたら?
寝姿勢を無理やり変えられたら?
ウトウトから完全に目が覚めてしまいますよね。
それは、赤ちゃんも同じ。
●小さい月齢でもチャレンジできる、ゆるいねんねの練習
●お子さんに合ったスケジュール
●赤ちゃんの睡眠について
疑問や悩みを抱えている場合は、お気軽にご相談ください
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